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2021-06-06 21:56:40 +09:00

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title: 新しい自宅サーバーの構成
date: 2021-02-13T00:00:00
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10 年ぶりにサーバーを更新しました。初めての AMD、初めての DDR4、初めての NVM Express です。
# 用途
- セルフホスト (Dockerized)
- メールサーバー
- DNS サーバー
- Nextcloud(ファイル、カレンダー、連絡先等)
- GitLab
- プライベート Docker レジストリ
- VPN 他
- 計算実験
- Docker Swarm ノード
- VS Code Remote SSH のホストマシン
# スペック
重いタスクを並列してやらせたいので最優先は CPU とメモリです。メモリはデュアルチャンネルにしたいので [DDR4-3200 32GBx2](https://shop.tsukumo.co.jp/goods/4582353591719/) を、CPU は昨今のライブラリのマルチコア対応を勘案して [Ryzen 9 3950X](https://www.amd.com/en/products/cpu/amd-ryzen-9-3950x) を選びました。CPU クーラーは Noctua の [NH-D15 Black](https://noctua.at/en/nh-d15) です。
> 結果から言うとメモリはもっと必要でした。巨大な Pandas データフレームを並列処理なんかするとサクッと消えてしまいます。予算に余裕があるなら 128GB ほど用意したほうが良いかもしれません。
GPU は古いサーバーに突っ込んでいた NVIDIA GeForce GTX TITAN X (Maxwell)を流用しました。グラフィックメモリが 12GB ちょっとですが、最大ワークロード時でも 5GB は残るので今のところ十分です。必要になったタイミングで増やします。
記憶装置は WD HDD 3TB 2 台と Samsung 970 EVO Plus 500GB M.2 PCIe、そして古いサーバーから引っこ抜いた Samsung 870 EVO Plus 500GB SSD です。NVMe メモリは OS 用、SSD/HDD はデータとバックアップ用にします。
マザーボードは、X570 と比較して実装されているコンデンサーやパーツがサーバー向きだと感じた[ASRock B550 Taichi](https://www.asrock.com/mb/AMD/B550%20Taichi/) にしました。
電源は今後 GPU を追加することを考えて [Seasonic PRIME TX 850](https://seasonic.com/prime-tx) を選びました。実際にサーバーを稼働させながら使用電力を計測したところ、アイドル時に 180W 前後、フル稼働時でも 350W を超えない程度でした。今後 UPS を買う場合はその付近+バッファを考慮したグレードを選ぶことにします。
ケースは Fractal Design の [Meshify 2](https://www.fractal-design.com/products/cases/meshify/meshify-2/Black/) です。
OS は長年付き合ってきた Ubuntu と袂を分かち、[Arch Linux](https://archlinux.org/) を選びました。ミニマルなところが好きです。本当に何も用意してくれません。セットアップウィザードとかないです。`which`すらインストールしなければ使えません。
Arch Linux のセットアップは[個別に記事](https://uechi.io/blog/installing-arch-linux/)を書いたので読んでください。入力したコマンドを全て記録しました。
# パーツ選定時のポイント
- [PCPartPicker](https://jp.pcpartpicker.com/)でパーツのコスト計算をする
- [Bottleneck Calculator](https://pc-builds.com/calculator/)で CPU と GPU の組み合わせを選び、そのうちどちらが性能のボトルネックになるか調べる
- [UserBenchmark](https://www.userbenchmark.com/)でユーザーが投稿したベンチマーク結果を眺める
- パーツ購入前に [Linux Hardware Database](https://linux-hardware.org/) を見て、インストールする予定の Linux ディストリと相性が良いかチェックする
- CPU クーラーは大口径の方が静か
- メモリはデュアルチャンネルによる高速化を目指し 2 枚構成にする
- PSU は Seasonic が評判良い
- 東芝 D01 が HGST の系譜
- [B550](https://www.amd.com/en/chipsets/b550) は長期運用に向いている(らしい)
- B520 は廉価版
- TSUKUMO eX. の自作 PC コーナーのスタッフはガチ勢なので信頼できる
- 不明な部分があれば根掘り葉掘り聞く
# 組立ての勘所
- 筐体は無視してまずマザボ、CPU、クーラー、(オンボードグラフィックが無い CPU なら)グラボ、そして電源を繋いで通電・動作テストをする
- [MemTest86](https://www.memtest86.com/)でメモリの動作テスト
- USB ブートで OS の起動確認
- Ethernet が死んでいる場合は USB-Ethernet アダプターでまずネットを確保する
- ほとんどの場合 Linux カーネルのバージョンを上げると(デバイスドライバーも新しくなり)直る
- Arch Linux の場合: `linux-lts`が駄目なら`linux`に切り替えて試す
- Ubuntu の場合: [kernel.ubuntu.com](https://kernel.ubuntu.com/~kernel-ppa/mainline/?C=N;O=D) から探してアップデートする([https://itsfoss.com/upgrade-linux-kernel-ubuntu/](https://itsfoss.com/upgrade-linux-kernel-ubuntu/))
- 駄目ならマザボまたはアダプターメーカーからアップデートを探す
- 安い筐体のネジは柔いことがあるため、強く押し込みながら少しずつ回す
- 山が潰れてきたらゴムシートを挟む
- すべて動いたら、[Probe を送信](https://linux-hardware.org/index.php?view=howto)してデータベースに貢献